どこまでも散歩道〜志治美世子ウェブサイト



半歌仙「はや悲しびを」の巻

[両吟]

誕生佛はや悲しびを滴らし 服部 秋扇
  敏(さと)き仔馬の耳にそよ風 志治美世子
  春の日はかなを手習ふ墨磨りて 秋扇
  喇叭で刻を告げる豆腐屋 美世子
  銀色のすすきを抱へ月の客 秋扇
  酒は人肌新蕎麦の膳 美世子
村芝居好みし母の枕辺に 美世子
  襷きりりと硝子戸を拭く 秋扇
  汗淋漓エチュードを弾くはなれ技 美世子
  彼が教へる恋に灼かれて 秋扇
  高麗の白磁に似たる頬なりし 美世子
  亥の子餅つく児等のにぎはひ 秋扇
  月宿る神話の如き初氷 美世子
  罪も穢れも深く眠らせ 秋扇
  新たなるヒーローを生む兜町 美世子
  ブラックホール扉(ドア)の向かうに 秋扇
  花朧肩に背負へる修羅ありて 美世子
  沖の未来へ巣立つ燕(つばくろ) 秋扇

首尾 平成十七年四月二十六日
於  六本木ラピロス十階ロビー

平成十七年、山形県新庄連句会で、狩野康子さんにとっていただいて、優秀賞をいただいた半歌仙です。

詩情あふれる繊細な句調が持ち味の大先輩、服部秋扇さんに声をかけていただいた巻です。その後、秋扇さんは新庄大会に応募してくださり、私は後になってそのことを知りました。

実質的にはこれが私の連句界デビュー作、といってもいいものかもしれません。秋扇さんに誘っていただいて、新庄市の授賞式に出席したことも、私にとっての初めての体験でした。

両吟とは名ばかりの、一から十まで秋扇さんのご指導による半歌仙ですが、私にとって何より思い出深い巻でもあります。


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